コラム2・打撃偏重の大会と投手戦の決勝戦今年の夏は、打撃偏重の大会だった。 本塁打の大会記録を塗り替え、2ケタ得点の試合も過去最多。 しかし、準決勝では、今大会最強の打撃力を誇った智弁和歌山が、 駒大苫小牧に敗れた。 決勝はその駒大苫小牧と早稲田実業の試合となった。 両チームのエースは今大会屈指の投手。 田中将大と斎藤佑樹。 決勝まで勝ちあがってくるチームはやはりいい投手がいるチームだと思う。 実際、両チームとも打撃で全国に名を馳せるチームに勝っている。 駒大苫小牧は前述の智弁和歌山。 早稲田実業は2回戦の大阪桐蔭。 これで投手力の重要性が分かるというもの。 決勝戦。ご存知の通り延長15回引き分け再試合。 しかもスコアは1-1。15回もやって1-1である。 早稲田実業の斎藤は15回を投げ切っている。それで1失点。 駒大苫小牧の田中も序盤にリリーフしてそれから最終回まで投げている。 自分がもし高校野球の監督で、どの「力」を最優先するかと聞かれれば、 自分は迷わず「投手力」と答えるだろう。 順位にするとしたらこのようになる。 投手力>守備力>走力=打撃力 実際にこれをやったチームはそこまで酷いチームにはならないと思う。 持論では、この優先順位を高い水準で実行できたら 甲子園でも戦えるチームではないかと考える。 今大会の締めに相応しい完璧な投手戦。 駒大苫小牧も早稲田実業も投手で成り立っているチーム。 もしかするとこの対決はあまりにも自然で必然的なものだったのかも知れない。 打撃偏重の大会だからこそ。 再試合の行方を予想するなら、駒大苫小牧有利。 早稲田実業の打撃力が4連投になるであろう斎藤をカバーできるかどうか。 今日は、投手力だけではなく、打撃、守備、走力など全ての力が試される試合。 自分はそう思う。 (text by Kusu 2006.08.21) |